
こんにちは。
森の印刷屋の西山です。
前回から始まった、
「インクシールで始める 小ロットグッズ商売研究所」
第1回では、月5万円の仕事を3本つくる。
そんな現実的な小ロットグッズ商売の考え方をご紹介しました。
では、ここで一つ疑問があります。
小ロットの仕事に可能性があるなら、
なぜ多くの営業マンは、小ロット案件を積極的に取りに行かないのでしょうか?
私は、その理由を営業マン個人の問題だとは思っていません。
もっと根深いところに、「売上は数量でつくるもの」
という考え方があるのではないでしょうか。
数が多い仕事は、分かりやすい
例えば、
100個の仕事と、
10,000個の仕事。
営業マンから見れば、どちらを取りに行きたいでしょうか。
多くの場合、10,000個の仕事です。
理由は単純です。
売上が大きい。
社内でも説明しやすい。
上司にも評価されやすい。
目標数字にも近づく。
だから営業マンは、自然と数量の大きい案件を探します。
これは、ある意味で当然です。
営業マンには目標があります。
ノルマがあります。
毎月の売上をつくらなければいけません。
「小ロットが大切だ。」
頭では分かっていても、
月末が近づけば、
どうしても大きな仕事を追いかけたくなります。
人間、月末になると急に哲学より数字が強くなります。
営業の世界ではよくある話です。
お客様が「少しだけ作りたい」と言ったとき
例えば、お客様からこんな相談があったとします。
「周年記念で30個だけ作りたい。」
「常連のお客様に10個だけプレゼントしたい。」
「イベントで50個だけ販売してみたい。」
「生徒さん5人分だけオリジナルグッズを作りたい。」
こうした相談に対して、
つい、
「100個作った方が単価が安くなりますよ。」
「数量を増やした方がお得です。」
と提案してしまう。
もちろん、間違った提案ではありません。
しかし、お客様は本当に
安くたくさん作りたいのでしょうか。
もしかすると、
失敗したくない。
反応を見たい。
特別感を出したい。
余らせたくない。
そんな理由で「少しだけ作りたい」と言っているのかもしれません。
そこを聞かずに数量を増やす提案をすると、
お客様の相談と営業側の提案が、少しずつズレていきます。
小ロット案件は、面倒に見える
小ロット案件には、確かに面倒な部分があります。
数量が少ない。
打ち合わせは必要。
デザイン確認も必要。
納期管理も必要。
売上金額は大きくない。
だから、「同じ手間なら大きい仕事を。」
と考えるのも理解できます。
しかし、私はここに新しい営業機会があると思っています。
なぜなら、
多くの会社が積極的に取りに行かない仕事だからです。
大きな案件は、当然ながら競争も激しくなります。
価格競争になります。
大手企業も参入します。
比較サイトもあります。
ネットで簡単に相見積もりを取られます。
一方、
「30個だけ作りたい。」
「こんな商品を試してみたい。」
「まだ売れるか分からない。」
そんな相談に、真剣に付き合ってくれる会社は、意外と多くありません。
だからこそ、そこに営業の入口があります。
最初の仕事が5万円でも、そのお客様は5万円のお客様ではない
ここが、今回一番お伝えしたいことです。
例えば、
ある会社から5万円の小ロットグッズを受注したとします。
売上だけを見れば5万円です。
でも、その仕事で、
お客様の担当者と知り合う。
会社のことを知る。
販促の悩みを聞く。
イベント予定を知る。
周年事業の話を聞く。
別の部署を紹介してもらう。
こうしたことが起きるかもしれません。
すると次は、
100個。
500個。
1,000個。
という仕事につながる可能性があります。
売れる商品が見つかれば、
量産は量産に強い会社へ依頼すればいい。
森の印刷屋が、すべてを自社で作る必要はありません。
大切なのは、最初の相談相手になること。
だと思っています。
小ロットは「売上の小さい仕事」ではない
私は、小ロット案件を
「売上の小さい仕事」
とは考えていません。
むしろ、新しいお客様との関係を始める仕事
だと考えています。
大量案件を新規開拓するのは簡単ではありません。
すでに取引先がいる。
実績が求められる。
価格競争になる。
しかし、「少しだけ試したい。」という案件なら、
新しい会社にも相談してもらえる可能性があります。
つまり、小ロットは新規開拓と相性が良い。
これが私の考えです。
数を売る営業から、相談を拾う営業へ
これからのグッズ営業では、
「何個作りますか?」
と聞くだけではなく、
「何のために作るのですか?」
と聞くことが大切になると思います。
誰に渡すのか。
どんな場面で使うのか。
何を感じてもらいたいのか。
売るのか。
プレゼントするのか。
まず試すのか。
目的が分かれば、
少ない数量でも価値のある提案ができます。
そして、価格ではなく、企画やアイデアで選ばれる仕事
へ変わっていきます。
月5万円の仕事を3本つくる
前回、「月5万円の仕事を3本つくる。」
という話をしました。
これは、5万円の商品を売り続けようという話ではありません。
まず、小さな仕事で新しいお客様と出会う。
そのお客様の話を聞く。
次の仕事を一緒に考える。
その入口を月に3件つくる。
私は、そんな意味で考えています。
大きな案件を一発で取る営業もあります。
でも、小さな相談を拾い、関係を育て、
仕事を広げる営業もあります。
小さな会社や個人事業だからこそ、
後者の営業ができるのではないでしょうか。
次回は「高く売れるグッズ」について考えます
小ロットで作る。
でも、安く売っていては利益は残りません。
では、同じタンブラーでも、安く見える商品と、
高くても欲しくなる商品は、何が違うのでしょうか。
次回は、
「高く売れるグッズと、安く見えるグッズの違い」
について考えてみたいと思います。
森の印刷屋は、
あなたの小ロット・高付加価値の商品づくりを応援しています。
