
こんにちは。森の印刷屋の西山です。
「インクシールで始める 小ロットグッズ商売研究所」第3回です。
第1回では、月5万円の仕事を3本つくる。
そんな小さく始めるグッズビジネスの考え方について書きました。
第2回では、なぜ営業マンは、小ロットの仕事を取りに行けないのか。
というテーマで、売上を“数量”で見る考え方について考えてみました。
そして今回は、いよいよ
小ロットでも利益を残すにはどう考えればいいのか
という話です。
そのポイントは、とてもシンプルです。
安く売るのではなく、価値が伝わる形で売る。
これに尽きると思っています。
同じタンブラーでも、売れ方はまったく違う
たとえば、同じタンブラーがあったとします。
片方は、
「名入れできます。安いです。早いです。」
もう片方は、
「周年記念の贈り物として、10個だけ特別に作れます。」
「お客様との関係を深めるオリジナルギフトになります。」
「毎日使うたびに、ブランドを思い出してもらえます。」
品物は同じでも、受け取る印象はまったく違います。
前者は“モノ”として比較されます。
後者は“使う意味”や“贈る価値”として見られます。
ここが、高く売れるグッズと、安く見えるグッズの違い
だと思っています。
安く見えるグッズは、「印刷した商品」で終わっている
小ロットグッズを販売するとき、つい
- 1個いくら
- フルカラー対応
- 小ロットOK
- 短納期
- 名入れできます
という説明を並べたくなります。
もちろん、これらは必要な情報です。
でも、これだけでは「印刷した商品」以上の印象になりにくい。
すると、お客様はどう考えるか。
「それなら、もっと安いところはないかな。」となります。
つまり、価格比較の世界に入ってしまいます。
これは厳しいです。
なぜなら、小ロットの仕事は、そもそも大量生産ほど価格競争に向いていないからです。
高く売れるグッズは、「使い方」まで提案されている
一方で、高く売れるグッズには共通点があります。
それは、商品そのものではなく、使い方や場面が提案されていること。
たとえば、
- 開店記念で常連客に渡す限定タンブラー
- 教室の先生が生徒作品を商品化した記念グッズ
- 美容室の周年イベントで配るオリジナルミラー
- 作家さんの世界観を小さく届ける携帯鏡
- カフェの物販コーナーで販売する少量限定グッズ
こうなると、商品は単なる印刷物ではなく、
“意味のある商品”になります。
意味がある商品は、安売りされにくい。
ここが重要です。
「何に印刷するか」より、「誰に、何のために渡すか」
グッズの相談を受けると、私たちはつい
「何に印刷しますか?」
と聞きたくなります。
もちろん、それも大切です。
でも本当は、その前に聞きたいことがあります。
それは、誰に、何のために渡すのか。です。
たとえば同じ携帯鏡でも、
- 雑貨として売るのか
- 記念品として渡すのか
- 教室の作品として販売するのか
- イベント限定品にするのか
で、提案の仕方はまったく変わります。
つまり、商品を売る前に、目的を整理する。
これができると、グッズは急に安っぽく見えなくなります。
小ロットだからこそ、「限定感」が価値になる
大量生産の商品は、たくさん作れる代わりに、特別感が薄れます。
一方、小ロット商品には、もともと強みがあります。
それが限定感です。
- 今回だけ
- この人のためだけ
- このイベントだけ
- この教室だけ
- このブランドだけ
この“少なさ”は、弱みではありません。
むしろ、価値になります。
大量に作れないからダメなのではなく、少ないからこそ特別。
そう見せられたとき、小ロットグッズは強くなります。
高く売れるグッズは、「世界観」がある
もう一つ大事なのは、世界観です。
ここでいう世界観とは、
- デザインの雰囲気
- 色づかい
- 見せ方
- 写真
- 包装
- ネーミング
- ストーリー
こうした全体の印象のことです。
たとえば、ただロゴを印刷しただけのマグカップより、
「北欧風の教室ブランドが提案する、朝の時間を楽しむ限定マグ」
と言われた方が、欲しくなりませんか。
人は、モノだけではなく、
そのモノが持つ物語や空気感にもお金を払います。
だから私は、これからの小ロットグッズ商売では、
印刷技術だけでなく、見せ方の提案力がますます重要になる
と感じています。
安く見える理由は、商品ではなく“売り方”にある
ここまで読んでいただくと分かる通り、
高く売れるか、安く見えるかは、商品の差だけではありません。
むしろ、売り方の差です。
- ただ印刷したモノとして見せるのか
- 誰かの気持ちがこもった商品として見せるのか
- 使う場面まで想像できる形で見せるのか
この違いで、価格の感じ方は大きく変わります。
つまり、安く見える理由は、商品そのものより、価値の伝え方にある。
私はそう思っています。
インクシールは、「高く見せる商品づくり」と相性がいい
ここで少し、インクシールの話をします。
インクシールは、単に小ロット対応というだけではありません。
- 細かい線も表現しやすい
- 白印刷もできる
- ガラスや金属にも対応できる
- 曲面や既製品への転写ができる
- 盛り上げたインクによる高級感も出せる
つまり、
“安く大量に配るための印刷”よりも、
“少なくても価値を感じてもらう商品づくり”に向いている。
たくさん安く作る世界では、大手に勝てないかもしれません。
でも、少なくても、ちゃんと価値が伝わる商品を作る世界なら、勝負できます。
ここに、小ロットビジネスの面白さがあります。
小ロットで利益を出すには、「価格」ではなく「意味」を売る
小ロットグッズで利益を出したいなら、
「もっと安く」ではなく、
「もっと価値が伝わる形にするにはどうしたらいいか」
を考えた方がいいです。
- どんな場面で使うのか
- 誰が喜ぶのか
- なぜ今これを作るのか
- どんな特別感があるのか
- どんな世界観で見せるのか
ここまで考えられれば、商品は安く見えません。
むしろ、「高くても欲しい」に近づいていきます。
次回は、「どんな商品から始めると失敗しにくいか」を考えます
ここまで、小ロットでも価値ある商品は作れる、という話をしてきました。
では実際に始めるとき、最初の一歩としては
どんな商品から取り組むのが良いのでしょうか。
タンブラーなのか。
携帯鏡なのか。
ペンなのか。
ボトルなのか。
次回は、
「最初に選ぶ商品で、商売のやりやすさは変わる」
という視点で、小ロットグッズ商売の“始めやすい商品”**について考えてみたいと思います。
森の印刷屋は、
あなたの小ロット・高付加価値の商品づくりを応援しています。
