【UVDTF活用ブログ】100マステストとは何か – 印刷物や転写素材の密着性評価に使われる試験方法

100マステストとは、印刷物やコーティング膜などの表面に格子状(マス目状)の切り込みを入れてテープで剥離し、その密着性(付着強度)を評価する試験方法です。

名前の由来は、縦横に10本ずつ合計100個のマス目(碁盤目)を作ってテストすることから来ています。印刷インクや塗装膜、熱転写フィルムなどが基材にしっかり付着しているかどうかを簡易に調べることができ、手軽で結果もすぐ分かるため製造業・印刷業で広く採用されています。

密着性が低いと、印刷物が擦れたときや時間経過で剥離する恐れがあります。100マステストによって密着性を把握し、製品の品質管理や改良に役立てます。特に工業製品の印刷やコーティングでは、下地処理やプライマー効果の確認、異なる塗料・インクの比較などにも活用されます。

100マステストの方法はシンプルで、以下の手順で行います。
1.試験片に格子状の切り込みを入れる。評価したい印刷面や塗装膜に、カッターナイフを用いて平行に1mm間隔で切り傷を引きます。その後直角方向にも10×10の碁盤目(100マス)を作ります。
2.テープを貼り付け圧着する。切り込みを入れた碁盤目部分に、セロハンテープなど適切な粘着テープを上から貼ります。
3.しっかりと貼り付けたら、一気に剥がします。
4.剥がした後のマス目の様子を確認し、どの程度塗膜が剥がれたかを評価します。
テープ剥離後の碁盤目の剥がれ具合は、一般に056段階で評価されます(数字が小さいほど密着性が高い)100マス全てのインクが剥がれなければ分類0ということになります。
製造業や印刷業の皆様にとって、100マステストは製品トラブルを未然に防ぐ安心の指標となります。ぜひ本記事を参考に、密着性テストの理解を深めて日々の品質管理に役立ててください。

コメントを残す