近年、各プリンターメーカーが相次いでUVDTF(UVダイレクト・トゥ・フィルム)方式や転写対応UVプリンターを発表しています。
なぜ、いまこれほどまでに「転写」が注目されているのでしょうか?
1. 「印刷対象の自由度」が市場を広げる
従来のUVプリンターは、品物をプリンターのテーブルにセットして印刷する「直接印刷方式」が主流でした。しかし…
・品物の形状に制約がある(平面中心)
・プリンターに入らないサイズのものはNG
・吸着不良によるヘッドのトラブル
・ジグが必要で、品物をセット、交換する手間
これに対し転写印刷(UVDTFやインクシールなど)では、フィルムや転写紙に一旦印刷し、それを品物に貼るため…
✅「どんな形状・素材にも印刷できる」*シリコン製品はN G
✅サンプル制作から、商品化まで一貫した色の提案ができる
✅機械にセットできない品物や場所(窓ガラス、既設のロッカーetc)に印刷ができる
などのメリットが生まれます。
2. ノベルティ市場・D2C市場の伸長
コロナ禍以降、小ロット・短納期・多品種の需要が激増。
・グッズ製作(アニメ、キャラクター商品)
・販促物(企業ノベルティ、イベントグッズ)
・ECでのオリジナルグッズ販売(D2C)
こうした分野では、フルカラー印刷+小ロット対応+素材の自由度が求められるため、
UV転写印刷は理想的な手法として急速に普及しはじめています。
✅ 3. プリンター本体だけでなく「資材・消耗品」で利益が出る
プリンターメーカー側としては、転写印刷は
✔ 専用インク
✔ 専用フィルム
✔ プライマー・ラミネート材などの消耗品
といった継続的な資材ビジネスにもつながるため、ビジネスモデルとして非常に魅力的です。
そのため、各メーカーが競って「プリンター本体+転写システム」をセットで開発・販売しているのです。
✅ 4. 技術進化で“誰でも使える”段階に
以前は転写技術というと、
- 難しい職人技術
- インクや素材の相性で失敗が多い
- 仕上がりにムラが出やすい
などの課題がありましたが、
UVDTF・インクシールの登場により、“初心者でも失敗しにくい”仕組みが整いました。
熱を使わず「押すだけ」「貼るだけ」で転写でき、乾燥時間も短く、耐久性も高い。
この「扱いやすさ」が導入の後押しとなっています。
✅ 結論:転写技術が「現場の課題」と「ビジネスニーズ」の両方を解決するから
✔ 自由な素材に印刷できる
✔ 小ロットでも対応可能
✔ 高付加価値で差別化できる
✔ 資材ビジネスも継続できる
こうした理由から、今後もUVプリンターの「転写対応モデル」の競争はさらに激しくなると見られています。
【追記】
株式会社アイエヌジーが開発、森の印刷屋が販売する「インクシール」は、元祖UVDTFであり、転写性能と、より自由なデザイン表現を武器に、多くの業界で導入が進んでいます。これまでの実績も多く、安心してご活用いただけます。