
製品に印刷や表示を行うとき、意外と重要になるのが 表面硬度 です。
とくに工業用途では、
・擦れる
・ぶつかる
・道具に触れる
・長期間使用される
こうした環境に耐える必要があります。
そこでよく使われる評価基準が鉛筆硬度試験です。
鉛筆硬度試験とは?
鉛筆硬度試験は、表面の傷つきにくさを確認するための試験です。
方法はとてもシンプルです。
硬さの異なる鉛筆を使い、一定の角度と荷重で表面をこすります。
その結果、傷がつかなかった硬さをその材料の硬度として評価します。
鉛筆硬度の目安
鉛筆の硬さは次のように分かれています。
B → 柔らかい
HB → 中間
H → 硬い
そしてHの前に数字が付きます。
2H、3H、4H、5H、6H…
数字が大きくなるほど硬く、傷が付きにくくなります。
5Hはどのくらい硬いのか
一般的な印刷表面の硬度はHB〜2H程度と言われています。
そのため、5Hという硬度はかなり高いレベルになります。
このレベルになると、
・爪で引っかいても傷がつきにくい
・日常的な擦れに強い
・長期間の使用に耐えやすい
という特徴があります。
なぜ工業製品では硬度が重要なのか
例えばポリプロピレン製ヘルメット。
現場では
・工具が当たる
・棚にぶつかる
・積み重ねられる
・屋外で使われる
という状況が普通にあります。
もし表示部分の硬度が低いと、
・表面が白くなる
・擦れて消える
・端部が削れる
といった問題が起こります。
安全表示や企業ロゴが短期間で消えてしまう可能性もあります。
硬ければ良いわけではない
しかしここで重要なポイントがあります。
単純に硬いだけでは問題が起きる場合があります。
前回の記事でも触れたように、
硬いインクは
・転写時の応力
・素材の微細な動き
に耐えられず、微細なクラック(ひび)が発生することがあります。
つまり、転写工程では柔軟性が必要であり、使用環境では硬度が必要。
この2つを両立させる設計が重要になります。
表面硬度は「長く使える表示」の指標
転写印刷や表示の評価では、「貼れるかどうか」が注目されがちです。
しかし本当に重要なのは
数年後にどうなっているか です。
表面硬度は、
・擦過耐性
・長期耐久
・表示の視認性
に直結する重要な指標です。
